校内フリースクールと民間フリースクールのメリットとデメリット

年々、不登校の生徒が増えていることへの対策として、各自治体では校内フリースクール(校内教育支援センター)の設置・整備が進んでいます。これら自治体の取り組みと、従来からある民間のフリースクールを比べて、どのようなメリットとデメリットがあるのかまとめました。

校内フリースクールって、どんなところ?

校内フリースクールは、各市町村の教育委員会が所管している教育支援センターの機能が学校内にあるものとお考えください。学校の空き教室を活用した取り組みです。

別室登校とは何が違うの?

「空き教室に子どもが通うなら、以前からあった別室登校と何が違うの?」と、疑問を持つ方もおられると思います。別室登校と校内フリースクールは少しだけ違いがあります。別室登校は各学校がそれぞれの裁量でおこなっていることです。しかし、校内フリースクール(校内教育支援センター)は、教育委員会が所管ですので、学校の先生だけじゃなく、教育委員会ともつながり、校内フリースクール以外にもお子さんに合った行政の支援を受けることができます。

例えば滋賀県大津市の場合ですと、校内フリースクールの利用だけでなく、アウトリーチや親子面談の利用などの利用を、校内フリースクールの利用を検討する際に打診されることがあるそうです。もし校内フリースクールにも行けなくなったとしても、これら行政の支援につながりやすくなります。

これらのことを踏まえた上で、校内フリースクールと民間のフリースクールのメリットとデメリットをまとめました。

校内フリースクールのメリットとデメリット

メリット

・学校や教育委員会との連携がスムーズ:先ほどもお伝えしたように、教育委員会が所管する面談やカウンセリングなどのサービスが受けやすいです。また、学校内にありますから学校の先生たちとも変わらずに連携することができます

・利用料がかからない:自治体によっては補助が出るとはいえ民間はお月謝が掛かりますから、無料で利用できるのはとても嬉しいポイントだと思います

デメリット

・卒業後のフォローがない:学校ですから仕方ないこととはいえ、卒業したらそれまでになってしまいます。特に、中学校から高校に上がると、これまでの連携がプツンと切れてしまいます。

・常駐の先生がいない:校内フリースクールは教育委員会が所管とはいえ、教育委員会からスタッフや先生が派遣されるわけではありません。学校の先生が、授業のない空き時間に交代で担当されます。いろんな先生に見てもらえると考えれば、良い点かもしれません。ですがこの体制は、落ち着かないお子さんがいたり、先生によって対応が違ったりすることも考えられます。全ての校内フリースクールに、常駐の先生がいないというわけではないでしょうが、昨今の教員不足を踏まえると、ほとんどの学校が空き時間をやりくりして運営していると想像されます。

民間フリースクールのメリットとデメリット

メリット

・常駐のスタッフがいる:校内フリースクールとは違って、民間のフリースクールには常駐のスタッフがいます。いつでも同じ人がいるということは、子どもにとって安心材料になります。とはいえ、苦手なタイプの人がいると通いにくいですよね。入会前に面談や体験などでスタッフや他の生徒たちの雰囲気を知っておきましょう。

・高校生を受け入れるところもある:民間のフリースクールは、対象学年が各フリースクールによって全然違います。中には、高校生も受け入れているところがあります。このようなフリースクールでは、年度の変わり目にこれまでの支援が切れるということはありません。

デメリット

・利用料がかかる:どうしてもお金がかかってしまいます。こればかりはフリースクール継続のためには仕方なく、各フリースクールの運営者も悩ましく思うところの一つです。

・活動内容が違いすぎる:校内フリースクールは、だいたいどの施設でも同じような活動をしています。勉強をして、ちょっとした遊びもできるというのが一般的です。しかし民間のフリースクールの活動は、運営の考え方や立地などによって多種多様です。校内フリースクールと同じような活動をしているところもあれば、自然体験をとても重視するところもあります。活動内容は本当に様々で、ここに書ききれないです。スタッフや生徒たちの雰囲気を入会前に知っておくことが大切と書きましたが、同じようにスクールの環境や活動についても事前にwebサイトなどで把握し、ミスマッチが起きにくいようにしたいです。

まとめ

ここまで、簡単に校内フリースクールと民間のフリースクールのメリットとデメリットについてご紹介しました。

いろんなケースを想定すれば、多分もう少しボリュームはあるんです。例えば、民間フリースクールでも場所によってはカウンセリングを受けられるメリットがあったり、校内フリースクールが無料とはいえ同じ学校に苦手な人がいたら行けないというデメリットだったり。

こういうことを考えだすとキリがないので、おおよそどの自治体、どの民間のフリースクールにも当てはまりそうなことだけを今回はまとめさせてもらいました。

お子さんが学校に行きにくくなったとき、どうすればいいかとても悩ましいと思います。大切なのは、情報を集めた上でお子さんが選べる程度に情報をまとめて提示すること。お子さんが意思を示せる状況でないのなら、意思を示すことができるまで焦らずに心身の回復に努めることです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次