TRY部は、塾だけど、勉強を教えません。
TRY部は、塾だけど、先生がいません。
TRY部は、塾だけど、スキル(技術)を身に着けません。

TRY部を立ち上げた思い

はじめまして。 TRY部を運営しております、NPO法人 D.Liveの田中洋輔と申します。

この教室を立ち上げたのは、今から3年前です。

それは、ふとした疑問から。

「どうして、意欲的な子と意欲を持てない子がいるのだろうか?」

意欲がある子は、自分から積極的にどんどん行動をおこしていきます。しかし、意欲が持てない子は、なかなか取り組むことができない。

結果、意欲が持てる子は、どんどん挑戦をして、好きなことが出来ています。

一方、意欲を持てない子は、自信がなく、受け身で、「どうせ無理…」と悲観的に過ごしているのです。

人の能力に、それほど大きな差はありません。

にも関わらず、“意欲”という目に見えないものだけで、子どもがこんなに変わってしまうのであれば、これは由々しき自体だと思うのです。

もしかしたら、「どうせ自分なんて…」と言っている子にも、大きな才能が眠っているかもしれません。可能性があるかもしれない。

でも、意欲が持てない子は、自らその可能性を放棄している。

僕は、そんな子どもたちを見ていて、あまりにも“もったいない”と思ったのです。

世の中には、スキルを身に着ける場はたくさんあります。

勉強やピアノ、ダンス、プログラミング…etc

しかし、そこで「意欲」というのは学ぶことはできません。 やる気になるかどうかは、先生との相性や本人次第です。

「意欲が身につく場」がないなら、つくろう。

そう思って立ち上げたのが、このTRY部です。

子どもを取り巻く社会について

「米国で2011年度に入学した小学生の65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」 -デューク大学 キャシー・デビッドソン

多様化する社会で、子どもたちを取り巻く環境はどんどん変わっていきます。 上記のように、今までの“当たり前”はこれからは通用しません。 AI(人工知能)の発達により、仕事がどんどんなくなっていきます。 単純作業は、ロボットや安い労働力の外国人がおこなうようになるのです。

これまでは、「いい大学へ入って、いい企業に就職する」ことが成功ルートでした。 しかし、そのルートは既になくなっています。 シャープは買収され、東芝の倒産が噂されている現代。 誰がサザエさんを見ているときに、スポンサーの東芝がつぶれるかもしれないなんて想像したでしょうか?

今では当たり前にあるGoogleもiPhoneも20年ほど前にはありませんでした。 時代のスピードはどんどん早くなり、目まぐるしく変化しています。 働き方も多様化し、電車に揺られて会社へ行くのも、当たり前ではなくなってきました。

なにが正解なのか?どこがゴールなのか?

今まで当然のようにあったレールは無くなり、自分自身で未来を選択する必要があります。 どうやって生きていけばいいのか?なにを目指したらいいのか?

日本の子どもたちは迷い、悩み、不安を抱えて生きています。

 

日本人は、勤勉で真面目です。

しかし、反対に言うと、“与えられたことしか出来ない”とも捉えられます。

一億総中流と言われていた頃ならば、それで良かったでしょう。 大企業に勤め、終身雇用の元、定年まで会社のために働く。それが幸せの形だったのです。

でも、これからは、自分で選び、自分で決めて、人生を過ごさなければなりません。 そのために必要なのは、与えられた課題をこなす能力ではなく、自ら課題や目標を設定し、行動していくチカラです。 受動的に言われたことをするのではなく、主体的に自ら学び、挑戦していくチカラが大切なのです。

主体的な子になるために必要なこと

主体的とは…  自分の意思・判断に基づいて行動するさま。

 「うちの子、言われないと何もしないの」 「もっと自分で行動してくれないのかしら」

 

こんなお悩み、ありませんか?

もっと主体的に、自分で行動してくれたらいいなと思いますよね?

では、どうすれば、主体的に行動できるようになるのでしょうか?

キーワードは、“自信”です。

自ら行動できるのは、「やればできる」という自信があるからです。

たとえば、「明日から1人でアフリカに住んでね」と言われたところで、できると思わないですよね?

 それは、自信がないからです。 やったことがないから、出来るイメージがつかめないのです。 勉強に意欲が持てる子は、「やればできる」と思えるから、自主的に勉強することができます。 うまくできた経験がないと、ただしんどく、辛いだけ。 だから、イヤになるのです。 「勉強が嫌い」となるのです。

 

「やればできる」という自信を得るために必要なことはなんでしょうか?

それは、“成功体験”です。 ガンバってうまくいった経験。

達成した喜びがあれば、「やればできる」と思えます。

すると、自信を得て、どんどん次にチャレンジができます。

「成功体験」を得るのは難しい

成功体験を得ることは、生きていく中で多くはありません。

 

子どものとき、絵を描くのを褒められて漫画家になった。足が速いねと言われて、サッカー選手になった。そんな話、聞いたことないでしょうか?それほど、成功体験は人生にとって大きなインパクトを与えてくれます。

 

しかし、よく語られる成功体験は、“才能”や“能力”です。絵を描くのがうまい。足が速いと言うような。コツコツと努力を重ね、結果を出して得られる成功体験は、とても難しい。なぜなら、結果が出る前に挫折してしまうからです。ガマンしてガマンして、やっと成果がでます。

 

しかし、子どもにとって、そこまでのガマンはとてもしんどいもの。ピアノをスグに辞めてしまう子が多いことからわかるように、基礎練習やコツコツと地道に努力することは難しいのです。

成功体験を得るために必要なこと

では、どうすれば成功体験を得ることができるのでしょうか?

 

まず、成功体験を得るためには、なにかへチャレンジをしたり、意欲を持って行動することが大切です。

そのために、心理学者 ジェア・プロフィが言う『期待 × 価値モデル』が参考になります。

 「課題をうまく達成できそうだ」という期待。 「取り組む理由が理解できる」という価値。

この2つがあることで、意欲をもって行動ができるのです。

 

子どもが勉強を嫌う理由は、2つです。

「達成できそうに思えない」 「取り組む理由(勉強する理由)」がわからない。

だから、やりたくないのです。

「出来そうに思える」ような課題や小さな目標を立ててあげることで、子どもは「できそう」と思えて、意欲を持って取り組むことができます。

 

たとえば、「5分だけ勉強しよう」と言ってストップウォッチで計ると、子どもはウソのように集中して取り組みます。

小さく、出来そうな課題なので、「できる」経験も多く積めます。

「できた!」という成功体験を得ることができます。

その積み重ねがさらなる困難への挑戦に繋がっていくのです。

べっこう飴が教えてくれた、挑戦するおもしろさ

僕が小学5年生の頃でした。

友達と「“べっこう飴”を作って売ろう!」という話になりました。

お小遣いは、月に1,000円。 コロコロコミックが400円だったので、それを買うと残りは600円。 マンガの単行本を買えば、もうなくなるくらい。

 

「もっとお金が欲しい」と思い、考えたのが、べっこう飴を売ることでした。

親に作り方を教えてもらい、スーパーで材料を購入。 家に帰り、お鍋でグツグツと煮ていきます。

しかし、飴が鍋にくっついてなかなか取れない。 取れても、販売用に考えていたビニールに包むことも困難。 結果、べっこう飴がこびりついた鍋の前で、僕たちは呆然としていました。

 

僕たちの小さな野望、小さな挑戦は、ここに幕を閉じたのです。

残ったべっこう飴は、削り取り、仕方なく自分たちで食べました。 「もう一生食べたくない」と思うほどの量を。

この挑戦は、失敗に終わりました。 しかし、未だにこの経験は僕に大切な思い出として残っています。

誰に言われたわけでもなく、自分で考えて取り組んだ挑戦。

子どもながら、あまりわかりもせず、お金の計算もしました。 売る方法も考えていました。 僕にとって初めてのプロジェクトだったのです。

 

世にある習い事のほとんどは、課題が与えられます。

塾なら、「この問題を解きなさい」 ピアノだと、「この曲を弾きなさい」と。

でも、それは外発的な動機付けです。

怒られるから取り組む。 やれと言われたから取り組む。

受け身の姿勢です。 それは悪いことではありません。 しかし、与えられた課題だけをこなしているだけでは、「楽しい」と思う感覚は得られません

 

僕は、べっこう飴を作っているとき、ずっとワクワクしていました。

「これが売れたらどうしよう?」 「どんな味になるのだろう?」 「おおお! 出来てきたぞ〜」

まるで、異国の土地に足を踏み入れたときのように興奮しました。

これは、自ら「やろう!」と思って取り組んだことだから、ここまで楽しかったのです。

初めはお金のためでしたが、いつの間にかそんなことはどうでも良くなっていて、ただ取り組むこと自体が楽しくなっていました。

 

これは、内発的動機づけであり、『自己目的的』と言います

この状態になると、自分がやりたいからやっているので、どんどん自立的になっていきます。

自ら進んで工夫をし、継続していくのです。 楽しいからやる。 好きだからやる。 おもしろいからやる。

まさに、教育や子育てにおいての理想形です。

 

いかにして、この『自己目的的』な状態を作り出すかがカギになります。

この状態を作ることができれば、もうガミガミ言う必要もありません。

勝手に取り組むようになるのですから。

主体的に取り組むおもしろさを、僕はこのべっこう飴づくりから学ぶことができました。

TRY部は、塾だけど、陸上部です。

「まずは、やってみよう!」

2014年3月。 TRY部は、生徒2名から始まった。

カリキュラムも定まっていないまま、スタートをした。 この教室は、日本のどこにもないところ。

TRY部を立ち上げようと思ったときの話。

“勉強が苦手な子は、自信を持っていない”というデータを知って、僕はショックを受けた。

「勉強ができないだけで、自信がなく、自分の可能性を閉ざしているのだとしたら、あまりにももったいないじゃないか」と、僕は思った。

勉強に苦手意識がある子は、塾に行っても変わることは難しい。 ただ行っているだけ。

真面目に聞かず、上の空。

勉強に嫌悪感がある子は、どうしても勉強への意欲が持てない。

知り合いの塾の先生が言っていた。 「塾って言うのは、勉強の成績を伸ばすところであって、勉強の意欲を高めるところではないんです」

それを聞き、僕は「TRY部、やらないと!」と、強く思ったのだった。

塾で大切なのは、進学率だ。 いかに良い学校に入ったのか、実績がモノを言う。

それが次の集客に繋がるから。

だから、言い方は悪いが、「やる気のない子は、いらない」のだ。

全ての塾がそういう方針というわけではもちろんないだろう。

どんな子にも、熱心に教えている塾を僕は知っている。

なんとか意欲を出そうと、子どもたちの興味を持つ授業を研究している先生も知っている。

でも、業界全体を見たとき、塾というのはあくまでも、「成績を伸ばすところ」なのだ。

極端な話、自習室に閉じ込め、無理矢理に勉強させてでも、成績が伸びればいいのだ。 (僕は、そういう塾に通っていた。タイムカードがあり、勉強した時間は全て管理されていた)

ハッキリ言って、この方針には、合う子と合わない子がいる。 素直で、そこまで勉強に嫌悪感を持たない子には、この環境がすごく合う。

「わかる!」という嬉しさが、更に勉強への意欲をかき立ててくれる。

しかし、「勉強が嫌い」と思っている子には、ただしんどいだけ。

まるで嫌いな野菜を無理矢理に食べさせられるところみたいに。 (僕が行っていた塾は、窓から逃げ出す生徒がいた)

以前、授業で行った学校で小学生が言った。

「私、勉強ができないから、パティシエになるのは無理だと思うの」

子どもは、「勉強 = 自分の能力」と思うことがある。

「勉強ができない = ダメ」と思ってしまうのだ。

勉強ができないだけで、自分を全て否定する。

「私はなにをやってもダメなんだ」と思う。

それほど、子どもたちにとって勉強が占めるウエイトは重い。

 

「勉強を教えるのではなく、違うアプローチをして、結果的に勉強への意欲を高めることができないだろうか?」

そう思ってスタートしたのがTRY部だった。

世の中に、そんな教室はほとんどなくて、試行錯誤の連続。

初めに来てくれた生徒は、今までの活動に参加してくれていた保護者にお願いして、体験で来てもらった。

1人の中学生は、「テストで点数取ることの意味がわからへんねん」と言い、全く勉強をしていなかった。

カリキュラムを手探りで作っていき、彼の意欲を伸ばすために、いろんな授業を試していった。

すると、「意味がわからん」と言って勉強の意欲を持てなかった彼が、次第に勉強をするようになっていった。

「あんな、どんな子にも寄り添えるような先生になりたいねん。おとなしい子も、目立たない子も、みんなに手を差し伸べて、良さを伸ばしてあげられる先生に、俺はなりたい」と言い、教職課程がある大学を探した。

TRY部へ来たときには、「夢とか別にないし」と言っていた子が、そんなことを言うようになったのだ。

「立命館とか良さそう。やっぱり、大学入るためにも、ちゃんと勉強しないとアカンなぁ」と言って、中学3年生の秋から苦手科目だけ塾へ行って学ぶことになった。

お母さんは、「塾は、学校の延長だし、特に行かせようと思っていません」と言っていたが、彼が説得をして、通わせてもらうことになった。

この保護者のかたは、TRY部へ行かせる前に悩んでいた。

「子どもの可能性を考えたら、勉強ができたほうがいいと思うんです。 私が子どもの可能性を閉じることはしたくない。 でも、塾に行かせても仕方ないと思っています。 やっぱり、子どもには自分で決めて、自分の人生を生きていって欲しいんですよね」

まさか息子が自分から「塾へ行きたい」と言うとは思ってなかったかも知れない。

しかし、彼は自分で決断し、見事志望校への合格を果たした。

僕たちは、ほとんど勉強を教えていないのに。

 

僕は、彼を見ていて、改めてTRY部という場所がどんなところなのかを考えてみた。

すると、思ったのだ。

「陸上部だな」と。

僕は、ずっと野球をやっていた。

野球は、冬になるとボールを使うことはなく、ひたすら走り込みばかりをおこなう。

このとき、僕たちは「陸上部だ」と言う。

陸上部のように走るから、このように言うのだ。

 

TRY部は、なにかテクニックを身につけるところではない。

ボールの投げ方や打ち方を教わる、スキルを学ぶところではない。 ただひたすらに、下半身を鍛えるところだ。 下半身が強くなれば、速いボールが投げられる。 遠くまで打球を飛ばすことができる。 子どもにとっての下半身が、意欲であり、自信だ。 下半身がしっかりしていれば、野球でなくても、バスケットボールやバレーボール、バドミントン。 どんな球技にも応用できる。

 

意欲や自信があれば、どんなことにも挑戦することができる。 得意なこと、やりたいことに取り組むことができる。 そして、TRY部が陸上部である理由は、もう1つある。 陸上部には、たくさんの種目がある。 短距離や長距離、ハードル、砲丸投げ、高跳び。 その子の特性によって、種目を選ぶことができる。 得意なことを伸ばすことができるのだ。 TRY部も同じ。 1人1人の特性に合わせ、その子が得意なこと、好きなことをとことん伸ばしていく。 活躍出来る場を作っている。

そうすると、タイプの違う子たちが、いろんな活躍をするのだからおもしろい。

6年生の男子は、本格的にプラモデルを作りたかった。

そこで、1ヶ月をかけてプロジェクトとして取り組んだ。

東京旅行にいったついでに、大きなプラモデル屋へ行って、材料を購入。

Webサイトを参考にしながら、スプレーで色を塗り、地面もつくった。

プラモデルだけではなく、周りの装飾品なども自分で作成をした。

5年生の男子は、「ゲームを買ってもらう」というプロジェクトを立ち上げた。

親に言っても、「ダメ」と言われる。

笑顔で毎日親に挨拶をする。

機嫌をとる。いろいろ考え、試してみたがうまくいかなかった。

悩んだあげく、彼は1つの策を考案した。

手紙を書いたのだ。

「背景 お母さんへ」と、ゲームが欲しい思いを紙にしたためた。

言葉ではうまく伝えられないと思ったのだろう。

彼は、文章を書くのが苦手なのにも関わらず、手紙を書いた。

まるでラブレターを書くかのように。

お母さんは、寝る前に手紙が置いてあるのを見つけた。

丁寧なことに、「読んだらここにサインをしてね」という項目まで作ってあったのだそうだ。

「あんなんされたら、買うって言うしかないよ」

後日、保護者のかたに笑いながら怒られた。

しかし、このプロジェクトはここで終わらない。

少し浮かない顔をして、彼はTRY部にやってきた。

聞いてみると、

「いやぁ、ゲーム買ってもらえることになってんけど、ほんまにいるのかなって思うねん。なんか、自分だけで使うだけやし、それほど必要ないのかなぁって思ってきた。それやったら、デジカメのほうがいいかもなぁと思うねん。デジカメやったら、みんなで旅行したときにも使えるやん。みんなのためになるし」

 

悩んだ彼は、生徒たちにアンケートをすることにした。

「僕は、ゲームを買ったほうがいいですか?それとも、デジカメが良いですか?」

“自分で決めたらいいやん”と思ったけれど、周りに意見を仰ぐというのは、今まで彼がやったことはなかったので、そこでも成長を感じることになった。

アンケートの結果も参考にし、「やっぱり、みんなで使えるほうがいい」と言って、彼はデジカメを買ってもらうことにした。

出発点は、どこにでもあるような「ゲームが欲しい」だったのに、このプロジェクトで、彼は一回りも二回りも成長したようだった。

 

 

ある日、NHKから「取材をしたい」と連絡が入った。

記者の人は、半年以上も教室へ通ってくれて、取材をしてくれた。

そして、1人の小学生へ密着取材をすることになった。

小学6年生だった彼は、すごく真面目な少年。 しかし、その真面目さが災いしていた。 完璧主義で、なにごともキッチリこなせないと気がすまなかった。 ストレスがたまり、学校へ行けない日もあった。

「どうしたらいいんだろう」となっていたとき、保護者のかたがTRY部を知り、教室へ通うことになった。

そんな彼だったのに、TRY部へ来て1年近くがたったときのNHKでのテレビインタビューで

「いやぁ、なんか理想の自分とかどうでもいいんです」と、嬉しそうな顔で答えていた。

完璧主義を手放し、目の前のことに集中してガンバることができるようになった。

あれほどしんどかった学校も、ほとんど休むことがなくなった。

“自信を取り戻す教室”として、NHKの『おはよう関西』に取りあげられたTRY部には、学校へ行けない不登校の子が来ることも多い。

別に「不登校の教室」にしているわけじゃないけれど、やはり意欲が持てないということで、学校へ行けていない子が来る。

「ここに来たら学校へ行けるようになるって聞きました」と、保護者のかたから問い合わせをいただく。

 

彼が来たのも、そんな縁からだった。

中学3年生の男子。

中学校は、ほとんど行けていない。

来たときは、けだるそうにしており、数ヶ月は授業へ参加することもなく、机に突っ伏していた。

少しずつ話しをしてくれるようになり、TRY部へ来て半年ほどがたったとき。

「やっぱり、俺は学校行けるようになりたい」と言い出した。

そして、「あんな、コミュニケーション能力が自分には足りないと思うねん」と言う。

それならばということで、1人旅へ行かせることにした。

彼は、アニメが好きで、その現場が長野県だったので、そこへ行くことになった。

帰ってくると、今まで見たことがないほど嬉しそうな顔をしており、「めっちゃ楽しかった」と言う。

そして、「大人とは話ができる自信がついた」と胸を張った。

携帯電話も地図も持たず、行く道中では、たくさんの人に道を聞き、話をしたのだそうだ。

彼は、高校へ進学すると、生徒会へ入り、テニス部にも参加して、高校生活を満喫している。

1人の不登校の中学生は、楽しそうに教室へ来て、学校の担任の先生が見学へ来たとき「この子、こんな顔して笑うのですね。初めて見ました」とまで言うくらい、TRY部では他のところで見せない顔をしている。

 

先日は、小学5年生女子の保護者さんからこんなメールが届いた。

「うちの子、TRY部が楽しくてしょうがないみたいです。スタッフの方々のおかげだと思います。ありがとうございます。子どもにとって、学校以外の居場所があるのって本当に大事ですね」

 

他の女子は、授業が終わってもずっと帰らず、課題に取り組んでいた。

保護者のかたがお迎えに来ても、「もうちょっと」と言い、作業を続ける。 結局、帰ったのは授業が終わって1時間ほどがたった頃だった。

 

内気で、話をするのが苦手だった中学生の男子。

自己紹介も「いや、いい」と言って、人前で話すのがとにかくダメだった。

口数も少なく、あまり話さない。

しかし、TRY部へ来て、1年以上がたった先日の話。 希望の高校へ入学したものの、いろいろな不安が彼にはあった。 保護者のかたから、「すごく疲れて学校から帰ってきました。なんだか、いろいろ気が重いみたいです」と、連絡をもらった。

すごく疲れて帰ってきていたのにも関わらず、「TRY部には行きたい!」と言い、授業へやってきた。

初めの頃、TRY部に来たときはあまり話さない子だった。

でも、今は違う。

「いろいろ高校しんどいわ−」と言い、抱えている不安や心配事をどんどん話してくれる。

なにより驚いたのは、「俺、友達作るの苦手やから、やっていけるか不安やわ」と、自分が出来ないことを素直に話してくれたこと。

自分自身とキチンと向き合えている姿を見て、とても嬉しくなった。

彼が帰り、僕は心躍りながら保護者のかたへメールをした。

「大丈夫ですよ。ちゃんと、向き合えています。きっと、大丈夫です」

 

TRY部に来た生徒は、みんないろいろな変化を見せてくれる。

塾だったら、成績が伸びる。 ピアノだったら、上手に弾ける。

だけど、TRY部には、特定の型がないので、いろんなところで子どもの成長が見られる。

ピアノの練習が苦手だった生徒は、「ああああ、ピアノの練習できるようになりたいー」と叫んでいた。

そして、彼は、練習をするとき、友達に電話をして、自分の練習模様を聞いてもらうことで、ピアノの練習を楽しく取り組む方法を見つけた。

「なにもやりたいことないし」と言っていた子は、自ら“数学検定”を見つけて、検定試験に向けて必死に勉強をしていた。

僕たちスタッフは、子どもたちが活躍する場をただ作るだけだ。

場を与えたら、あとは勝手に子どもが夢中になる。

どんどん取り組んでいく。 成長していく。

僕は、そんな姿を見るのが、たまらなく好きだ。

保護者のかたから、先週こんなメールが届いた。

「本当にイキイキとしていて、とにかく色んな経験を積んでいきたいと思っているようです。どんな風に成長していくか、私もワクワクしています」

 

そう。子どもの成長を見守るのは、楽しい。

大人が想像していないスピードで子どもは成長する。

いつだって、僕は子どもたちに驚かされる。

TRY部には、塾が合わなくて来る子もいる。

学校へ行けないから来る子もいる。

もっと活躍する場、好きなことに取り組みたいからと来る子もいる。

 

ここは、陸上部だ。

短距離が得意な子。 長距離が得意な子。 遠くへ飛ばすのが得意な子。

いろんな子が来て良い場所だ。

それぞれの良さを最大限に発揮させるのが、僕たちスタッフの使命だと思っている。

次は、どんな子に会えるのだろうか。

どんな成長ストーリーを見ることができるのだろうか。

 

今から、楽しみで仕方がない。

プロフィール

田中 洋輔(たなかようすけ)

NPO 法人 D.Live 代表理事/ 立命館大学文学部卒業。
プロ野球選手を目指すも、強豪の高校へ入り挫折し不登校に。自身の経験から、 自分に自信が持てず苦しんでいる子がいる現状を変えたいと思い、大学生のとき(2009年)に団体を立ち上げる。
自尊感情 (自己肯定感)についてまとめた『子どもの自信白書』の発行、子どもの居場所や自信を育む教室運営。PTAや地域団体などにて、不登校や自尊感情についての講演・研修もおこな う。 最近は、不登校の子どもへの1対1のコンサルティングもおこなっている。

NPO法人 D.Live(ドライブ)

2009年に設立。2012年に法人化。

滋賀県草津市を中心に活動している教育NPO団体。

滋賀県の教育委員会フォーラムで先生向けに講演をおこなったり、草津市の委託事業として中学生の居場所も実施。

大学の教授と共に研究をおこない、冊子『子どもの自信白書』(無料)も発行。

クリスマスブーツギャラリーの企画・運営などにも関わっている。

概要

◇TRY部(草津)◇

対象:小学5年生~高校3年生

場所:草津まちづくりセンター(JR草津駅徒歩5分)

日時:月曜・金曜  小学生の部 17:30 - 19:00   中高生の部 19:30 - 21:15

お月謝(週2回) : 小学生 10,000円 中学生 15,000円 高校生 20,000円

◇TRY部(瀬田)◇

対象:中学1年生~高校3年生

場所:マグハウス(瀬田駅徒歩5分)
滋賀県大津市大萱一丁目9−7ワイエムビル202

日時:火曜 18:30-20:00

お月謝(週1回)※草津のTRY部へもご参加いただけます
中学生 15,000円 高校生 20,000円

 

◇昼TRY部◇

【概要】
ここは、ラボ(実験室)のようなところです。
教師がいて、なにかを教える場ではありません。
自分がやりたいこと、探究したいテーマに沿って活動をおこないます。

【どんなことができる?】
各々が自由に活動へ取り組むところです。
スタッフが常駐しておりますので、困ったことや悩みごとはいつでも質問可能です。
取り組んでいる課題への対処や進め方など、どんなときでも相談ができます。
たとえば... ・ 受験勉強に取り組む・パソコンでなにかを調べる・料理をつくる ・読書をする・将来やりたいことについて考える・公園で体を動かす 普段、家ではなかなか進まないこと。
やろうと思ってもできないことなどにも取り組むことができます。
中にいるばかりではなく、たまにはみんなで遊んだりすることもあります。
「誰かに迷惑をかけない」こと以外には、主なルールはありません。

【詳細】
対象:小学生~高校生

場所:マグハウス(瀬田駅徒歩5分)
滋賀県大津市大萱一丁目9−7ワイエムビル202

日時:月曜・木曜 10:00 ~ 13:00

お月謝週2回(週1回)
小学生20,000円(10,000円) 中学生25,000円(15,000円) 高校生 25,000円(15,000円)
※ 別途、みんなでご飯を作って食べる場合などには食材費などがかかることがございます。

見学について

見学について → 入部までの流れ

TRY部では、内容や雰囲気、私たちが大切にしていることをお伝えしたいため、
入会までには、3つのステップがあります。

 

☆入部までの流れ

⓪お問い合わせ → ①保護者面談 → ②生徒面談 → ③TRY部体験 → ④入部

 

1. 保護者面談&TRY部 (保護者のみご参加)

 

-内容-

  • お子さんの状況、TRY部に期待することについてヒヤリング
  • TRY部の概要説明
  • TRY部見学

 

まずは、お子さんの様子やTRY部へどんなことを期待しているかをお聞かせください。
TRY部の概要や私たちが大切にしていることもお話します。
面談後、授業見学もしていただけます。

 

2. 生徒面談&TRY部見学

-内容-

  • 「どうなりたいか?」「なにで困っているか」をヒヤリング(生徒のみ)
  • TRY部でどんなことをするか、どうなるかをご説明(生徒のみ)
  • TRY部見学(保護者同伴可能)

 

TRY部では、お子さんの「入りたい」という意欲を大切にしています。
そのため、入部する前に生徒さんと1対1の個別面談を実施させていただきます。
(ご自宅に伺うことも可能です)

お子さんに説明するときは、コチラの記事をお見せください。

『はじめまして。NPO法人 D.Liveの田中洋輔です。』

 

3. TRY部体験

-内容-

  • 実際にTRY部の授業を体験

 

他の生徒たちに混じってTRY部を体験していただきます。 基本的に生徒さんのみのご参加。 (生徒さん本人の了承があれば保護者のかたも見学していただいて結構です) TRY部の授業や取り組みに参加してみて、TRY部を感じてください。

 

4. 入部

ここまでの流れに参加していただき、入部となります。
「すぐ入部したい!」とおっしゃっていただくこともございますが、当教室ではこの方法でお願いしております。
と、言うのも、お子さんが成長していくためには、保護者様、お子さん、当団体が同じ方向を見る必要があります。
お互いにどんなことを大切にしているのが、どうしていくのかという共通理解があってはじめてお子さんために100%の力を注ぐことができることができるのです。

そのため、少しご面倒に感じるかも知れませんが、こちらの方法に沿っていただけますようよろしくお願いいたします。

 

お申し込み・お問合せ

●お申し込み

下記のフォームに必要事項を記入し、お送りください。 後日、担当より返信させていただきます。 info@dlive.jpよりお送りしますので、迷惑メール設定をされている場合には解除をお願いします。

●お問合せ

info@dlive.jpへ直接ご連絡ください。

 





保護者のかたのお名前 (必須)
  

お子さんのお名前 (必須)
  

お子さんの学校名 (必須)
  

お子さんの学年 (必須)
  

困っていることやTRY部に期待すること (必須)
  

携帯電話番号 (必須)
  

メールアドレス (必須)
  

ご興味がある教室 (必須)
   昼TRY部【昼・瀬田教室】 TRY部【夜・草津教室】

どちらでTRY部をお知りになられましたか?(必須)
  

面談希望日程を3日程ほど教えてください (必須)
例:4月1日13~17時、4月2日午前中、4月5日13時以降
  

ご質問などございましたら、こちらへご記入ください。